「The Lady Eve」

昨日に引き続き、スタージェスの映画、
「レディ・イヴ」を観る。

超ビッグなエール(ビール)会社の御曹司で、
ちょい変わり者の男がアマゾンで蛇の研究
をして1年を過ごし、その帰途、豪華客船
に乗り合わせたカード詐欺師の一団の娘と
恋に落ち、ウソがばれ、復讐を企て、再び
恋に落ち・・・というような話なのだが、
この男の父親がいかに富豪であるかという
こと、この男の女に対する免疫の少なさや
ちょっと鈍い感じ、だけど愚鈍ではないこと、
誠実でおしが弱くて、でもプライドは高いこと
など、必要な情報が手際よく短時間のうちに
描かれていく。
その手際の良さが、スタイリッシュでいいなあ
としみじみ思う。

たとえばタイトルロールに蛇が出てくるの
だが(あ、実写じゃなくアニメーションの)、
この蛇がしっぽでマラカスを振っている。
もちろんバックに流れる音楽とちゃぁんと
合っている。
怒った顔をしながらもマラカスを振る蛇。
誘惑の象徴であり、これから描かれる男の
蛇好きにつながってもいる蛇。
なんか妙にハマッて、たまらない感じ。
この部分をもう一度観たくて、本編が終わ
ってから巻き戻して、ワクワクと観た。
2度目に観ても、やっぱりたまらない感じ。
ピタッ、ピタッとハマる好きさ加減は
弱まらない。
スタイリッシュで、省略の仕方がうまくて、
必要なことは全て描かれている。
すごい。

なんでいままでこの監督を知らずに私は
過ごしてきたのだろうと、首を捻りたく
なるくらい、ぴたっとセンスが心地いい。