南河内万歳一座「お馬鹿屋敷」於下北沢スズナリ劇場

たまたまチケットが格安で手に入り、どういう劇団かも知らぬまま観に行く。
そういうみかたをしていれば、いつか当たりもあるのだろうが、今回は、そうはいかなかったようだ。
南河内、と銘打っているだけに、とんでもなく強烈な河内弁だったらどうしようとか、大阪臭がつよすぎるとロクなことはないよなとか、大阪出身なだけに余計におそれていたのだが、予想外に標準語の芝居だった。(ですよね? ひょっとして関西弁だった? 私、ときどきどっちだったかわからないときがあるのですよ。ちと不安?)
がしかし。
これはたぶん、脚本と演出に難ありなんだろうなー。今日が初日でもなんでもなく、福岡ですでにやってきましたとのことなのに、素人目にも手直しすべきと思う点が多々ありましたね。間の悪さとか、効かせたいのであろうセリフの効いてなさとか、ちょっとしつこいよねーこのあたり、っていうつまむべき場所とか、舞台装置?の動かしかたのうっとうしさとか、ばたばた動き回ればいいってもんじゃないだろう感とか・・・・・・。
ま、もちろんこういうのは好みの問題でして、この舞台をやってる人たちはこれがいいと思ってやってるんだろうし、この人たちのこういうドタバタ感が好きというので観に来てる人もいるんだろうし(実際、体を張ったレベルの低い笑わせかたに大きな声で何度も笑っている人がいたので相思相愛なんだろうし)、だからどうしてもセンスの相違というしかないのではありますが。
が。
布団と道連れ、みたいな着想は良いとして、それをいかに飛躍させ、何をそこで表現するか、どんな着地点を見出すか、そんなことがすごく緩く感じられ。
そこはほら、もう神経というかセンスというか、ドタバタ走る=一生懸命やってる、なのかどうか、みたいなことですわな。

役者は悪くないのにな、と何度か思いました。万年床のふたりとかね。なので余計にもったいないな感があるような。

私は日本人なのでよくないと思った芝居でもブーイングをする習慣はありませんが、拍手をしないという礼儀はもう身につけました。