「コーラス」 「海を飛ぶ夢」

ヴォーグ学園というのが市谷にあるので、帰りに飯田橋まで
足を伸ばし、ギンレイホールにて映画2本立て。

「コーラス」は、ま、歌によって子供たちの心がひとつになる、
という、日本のドラマでも海外の映画でも、定番となっている
物語のバリエーションという感じ。
ボーイズソプラノが美しい。
主人公の少年が、赤西仁くんに似ているような。

で、「海を飛ぶ夢」ですよー!!
この映画、予告をさんざんみていて、観に行こうかなと
思ってるうちに見逃していたのですが、これはもうね、
すごいわ。
観てない人は、観ておいたほうがいいかも。
辛いけどね。
辛いし、苦しいし、あっちにこもっちにも心が引きちぎられて、
鼻がつまってのどの奥が痛くなって、翌日、目が腫れそうだけど、
だけども観ておいたほうがいいかも。

依存する生活には、プライバシーがない。

重いな、この言葉。
病を得る。
重度な怪我をする。
年齢とともに、衰える。

理由はなんであれ、依存せざるをえない生活は、いずれやってくるのだろう。
そこにプライバシーはない。
厚意に満ちていて、愛情のやりとりがあっても、そこにプライバシーはない。
辛いな。
それはとんでもなく辛い。
解放されたい、と思う。

余計に辛くなるのは、周りの人の気持ちの重さ。
身内は、血のつながっている年上の身内は、余計に辛い。
認めにくい。
辛さがわかるから、余計に辛い。

いっそ、他人のほうが・・・。

ほんと、すさまじい、怖いくらいの映画でした。
でもね、暗くはならないのよ。
何も決めつけがないし、宗教的束縛もないし、
死を望んでいる本人に嘘がないから、暗くはならない。

役者さんも、監督も、達者だなと思う。
分厚いなと思う。
知らない顔、知らない声、だから、くささも感じることなく、
そっくりそのまま観ることができた。
邦画はその点、損もトクもしちゃうかもね。