グレン・グールド

今日、ある音楽家に仕事の関係でお会いした。

その方の奏でる音楽は、夏の終わりの夕暮れの、
静かな波打ち際にいるような心地よさと安らぎと、
ゆるやかに深くなっていく夜の向こうにはまた
明日があって、きっと新しい一日も心豊かに
過ごせるんじゃないかと予感させるような、
細やかでたくましい情感と包容力をもっている。
と、私は思う。

その音楽家が、クラシック音楽にまるで明るく
ない私に、グレン・グールドの弾くバッハを
勧めてくれた。
早速帰りにHMVに寄って、買って帰った。
(HMVの棚のポップを見て知りましたが、
いろはの"い"の字のようなものなのですねー。
あまりの自分の無知さに恥ずかしくなりまする)

んが!
聴き始めて3分も経たないうちに、音が出なく
なっちゃいました。
暑さでデッキくん(昔、Mr.ベイリーなんて名前を
つけたんだよなー)が、ヤラレてしまったのか??
カウンターは進めど音はなし。
哀し。

ただ、この組み合わせのこの楽曲は、私の大好き
な作家の主人公が、芸術というか犯罪というか、
そんなことに近いことに臨む際、必ず聴くもの
だと気づいて、うわーっ!ワクワクワク!!

部屋をよく冷やしてから、再びMr.ベイリーに
トライしてみます。

それにしても、今日、お会いした音楽家の奏でる
音色は、なんともまろやかで優雅で典雅で体温が
あって、甘くてビターでよかったな。
知らない間に、するするっと、しみ込んでいく感じ。
たぶん今日は、胸から胃、腎臓、肝臓、肺、大腸小腸
へと広がって、S字結腸くらいまでしみ込んでると
思います。