*[映画]「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」

を観ました。
ショーン・ペン、すごいな。
あの芝居力(しばいぢから)は何なんだろう。
ぽてっと出た腹といい、自信のないことを悟られ
まいとする男特有の笑い方といい。

映画が始まって15分くらい、うっすら涙のにじむ人、
多いんじゃないかな。
実は・・・の自分がそこにいるような気がして。

話が進むにつれ、そこまでは・・・って人が大半で、
でも、より重なっていく人もいるだろうし、苛立ち
ながらいろいろ思う人もいるだろうし。

だけどきっと、44歳という主人公の年齢になるうんと
前に、おそらく中学やら高校やらのころに、自分の
純粋さをもてあまして排他的になったり、穢されたく
ない、なんて思って自分の弱さを他人や環境のせいに
したり、そんなやりきれない時間を過ごしたことの
ある人は、多いと思う。
少なくとも、ワタクシはそうだった。
だから、いたたまれない気持ちになる。
この映画のショーン・ペンに。
彼の表情や、動きや、体の形に。
彼の潜り込んでいく思考回路に。

これをもし別の人が演じていたら、かなりベタで
見飽きた感のある映画になっていたかもしれない。
監督とショーン・ペンの肌合いがあってたということか。
もしかすると「タクシードライバー」を狙ってたの?と
ふと胸をよぎる点がペンにも監督にもあり。

ま、言ってみれば、迷惑なだけの男の話なんですけどね。
ヤだよ、こういう人が身近にいたら。
増してや、巻き込まれたら。
純粋とか、違うでしょ。
なんもできてないでしょ。
嫁も兄も、何度も信じて期待しては裏切られ、の
繰り返しだったんだろうし。
しかも逆の結果でしょ、思ってることの。

・・・ってところが切なく苦しく悲しいんだけど。

しっかし、くどいようだけどショーン・ペンはいいな。
こんなにいい役者になるとは思ってなかったな。
どうよ? マドンナ。